ゴールデンウィークに美術館へ行ってきたで。
日本はなぜ美しいのか」て記事を書いたとこやったから、いろいろと思うことがあったわ。
ビジネス右翼みたいなエセ愛国やないほんまの愛国記事は
そうたやすく書けるもんやないと痛感したとこやけど、
もう一度だけトライしてみる気になったんや。
これを読んでネトウヨをやめようと決意する人がでてくることを願ってお届けするで。

美しい余白を日本に取り戻す1

日本の美2

美しい余白を日本に取り戻す3

美しい余白を日本に取り戻す4

美しい余白を日本に取り戻す5

美しい余白を日本に取り戻す6

美しい余白を日本に取り戻す7

美しい余白を日本に取り戻す8

美しい余白を日本に取り戻す9

美しい余白を日本に取り戻す10

美しい余白を日本に取り戻す11

美しい余白を日本に取り戻す12

美しい余白を日本に取り戻す13

美しい余白を日本に取り戻す14

美しい余白を日本に取り戻す15

美しい余白を日本に取り戻す16

美しい余白を日本に取り戻す17

美しい余白を日本に取り戻す18

美しい余白を日本に取り戻す19

美しい余白を日本に取り戻す20

美しい余白を日本に取り戻す21

美しい余白を日本に取り戻すで22

美しい余白を日本に取り戻す23

日本の美24

美しい余白を日本に取り戻す25

美しい余白を日本に取り戻す26

日本の美27

美しい余白を日本に取り戻すで28

美しい余白を日本に取り戻す29

美しい余白を日本に取り戻すで32

美しい余白を日本に取り戻すで33

美しい余白を日本に取り戻すで32

美しい余白を日本に取り戻す33

美しい余白を日本に取り戻すで34

美しい余白を日本に取り戻す35

補 足
  1. 「エルネスト・シェノーが日本美術の特徴の第一に挙げたものが、左右非対称アシンメトリーである。これまでの西欧美術はシンメトリーに準拠しており、このような伝統的表現が逆にヨーロッパ、特にフランスの工芸の発展を阻害したとまで言っている。」(近代西洋美術における日本美術の影響
  2. 「特に当時の画家達が驚いたのは、浮世絵の左右非対称や余白をいかす構図、対象物の一部の拡大や切り取ったような大胆な構図、鮮やかで生彩に富んだ色彩表現などで、これは西洋絵画には存在しないものでした。」(芸術とデザイン、日本とジャポニスム!
  3. 「浮世絵のどこが西欧の画家たちにとって衝撃的だったのか。それは、「アシンメトリー性」です。それまで西欧では、静止した左右対称のシンメトリーこそが安寧のシンボルであったのに対して、浮世絵を始めとする日本美術は、左右非対称の美学が追求されていたのです。この点について、三井氏は、日本美術の造形原理をアンシンメトリーを含むもっと大きな美の概念を「非定形」の枠組みの中で捉えるべきではないかと述べておられます。「西欧美術の定形に対し、日本美術の非定形である。非定形とは垂直・水平線で囲まれた方形や構築物の人工的な形を排除した斜線や曲線が入り交じった造形や構図を意味する。これまでの伝統的な日本の美術を一語でいえば自然への回帰であり、美術における自然主義がいつの時代も日本の芸術の概念を貫いていた。この自然を模倣する日本人の精神構造はものの「あはれ」を知る心であり、侘び、寂び、幽玄あるいは江戸時代の「粋」であった。自然と一体となり、融合することが日本美の原点ならば、その造形は必然的に定形をはずした非定形の形成にならざるを得ない。」(三井秀樹『美のジャポニズム』p157-159)」(loisir-space’s blog) 
  4. 「この時期には,ジャポニスムがホイッスラーの絵画に深く浸透していることがわかる。とくに「ノクターン―青と金:オールド・バターシー・ブリッジ」(図6)は,歌川広重(1797-1858)の「名所江戸百景 京橋竹がし」(図7)から直接的な影響を受けたと見られ,前景に橋桁を大きく配し,画面の重心をずらしたアシンメトリーな構図が目を引く。このように,あえて安定感のある均衡をくずして画面に緊張感と変化を与え,空白を大きくとった構図は,この頃の「灰色と黒のアレンジメント」(1871),などの作品でも試みられ,色数の制限,無彩色の使用など,浮世絵からの影響の深まりを感じさせる。」(掘じゅん子『ジャポニスムと浮世絵』
  5. 「左右非対称の型を「アシンメトリー(Asymmetry)」とよんでいます。西洋文化にはほとんど見られない型(スタイル)です。逆に日本文化は、非対称文化ともいえるほどアシンメトリーの型や構図が好んで用いられてきました。非対称のアンバランス感が不完全で余韻を残すことから、日本人の美意識と相通じていたのでしょう。非対称の構図は反対(対向)側に余白を生み、動きや観る人の想像をかき立てる日本人の粋な心だったからです。ジャポニスムという日本文化の西洋に与えた影響は、西洋人のシンメトリーに凝り固まった美意識を覆したことが発端だったのです。」(三井秀樹『ハンディクラフトのデザイン学』p151
  6. 「わざと中心をはずすことで『動き』を含んだ『静止した動態』を表すのが日本の美の伝統なのです。日本人は非対称(アシンメトリー)のほうが粋でおしゃれだと感じるのではないでしょうか。」(山口晃『ヘンな日本美術史』)
  7. 「日本の美術品が西欧世界に大量に輸出され、その結果としてジャポニスム(日本美術の西欧への影響)が誕生するには、このような書物による情報が果たした役割を軽視することはできない。そこには彼らが見た美術の特色、すなわち自然の風物を愛する趣味、色彩の鮮やかな美しさ、写実的なものよりも装飾性を重視する点、構図における非対称や俯瞰する視点、即興的な筆づかいや制作の偶然性を取りこむなどが発見され記されている。読者たちはそこにヨーロッパのアカデミーを中心に尊重されてきた価値を否定するような内容を読み取った。日本の美術に見られるこのような特色をどのように自分たちの芸術に取りこみ、消化して行くかといった問題意識の成果がすなわちジャポニスムである。」(ジャポニスムの系譜
  8. 「日本美術の大きな特色の一つは、非シンメトリーで、左右不均衡な構図が余白を生み、描かれているものの動きを予感させます。北斎や広重の浮世絵では、左右非対称で余白を大胆に生かした構図に加え、画面を大胆に断ち切るモチーフは西洋の美術で禁じ手ともいえる破天荒な構図で描かれています。しかし西洋人を驚かした大胆な構図は、余白を巧みに使った構図も、モチーフの大胆に断ち切る構図も、日本の等量分割の整備性と非定型の美学に起因した美意識と日本人の自然の偶発的変化を素直に受け入れる自然観に基づいて生まれたものです。」(dezire_photo & art